いつもの感じの悪さはみじんもない、真摯な声だった。


うん、知ってる。

信じてる。

一ノ瀬くんは絶対に、私を守ってくれるって。


この腕の中は、世界で一番安心できる場所なんだって、私はとっくに知ってるよ。



「ありがとう、一ノ瀬くん……」


ありがとう。大好き。

あなたのことが、本当に好き。

仕方ないよね。

こんなに優しくて、かっこよくて、頼りがいのある、信頼できる人なんだもん。


好きになることを許してね。


一ノ瀬くんの体温と、呼吸の音を聞きながら、私はいつしか眠りに落ちていた。


恐怖は少しも感じず、幸せな夢を見られた気がした。