「週末ご挨拶に行くから、梓ちゃんもその日は空けておいてね」

「わかった……。うう、緊張するなあ」

「京子ちゃんさっぱりした人だから大丈夫だってば。梓ちゃんを連れてお買い物したい、なんて言ってたわよ。ずっと娘が欲しかったんですって。京子ちゃんのとこは、男の子だったから」

「そうなんだ。……うん?」


何だって? いま聞き捨てならないことを言われ気がするんだけど。


「可愛いもの着せて、一緒にお料理したりするのが夢だったんですって」

「ま、待ってお母さん。いま、なんて言ったの?」

「一緒にお料理したり?」

「もっと前!」


お母さんは小首を傾げ、頬に手を当て考える。

お父さんは新聞に目を落としたままだんまりだ。


「京子ちゃんのとこは、男の子だったから?」

「そ、それ! 京子さん、子どもがいるの? しかも男の子?」


私の慌てように、お母さんはきょとんとしている。