雨の音が激しくなり、悲鳴がかき消される。
その中でパリンと何かが割れる音がしたと思えば、ぶわりとカーテンが舞い上がった。
手が見えた。
窓ガラスが一部割られて、そこから腕が伸びている。
ゴツゴツとした手が、窓の鍵を開けるのを、信じられない気持ちで見届けた。
目の前で、窓がゆっくりと開かれる。
カーテンが千切れそうなほど激しく舞い、雨が室内に飛びこんでくる。
左腕が重くなった。
さっきの私の叫びでか、春陽くんが目覚めていた。
大きな目をさらに大きく見開いて、私の腕に抱き着くようにしてガタガタと震えている。
守らなきゃ。
私が、この子を守らなきゃ。
黒い影が、得体の知れない何かが部屋に入ってきた。
華奢な身体を抱きしめ、力の限り叫んだ。
「一ノ瀬くん助けてー!!」


