君の笑顔は、俺が絶対守るから。


「それ、大丈夫なのか」

「幸い折れたのは左足だけで、あとは打撲だけだそうよ。頭も打ってるから、少し入院するみたいなの。命に別状があるわけじゃないから、安心して」


京子さんがほほ笑むと、春陽くんは力が抜けたように私の膝に倒れこんできた。

長いため息をついて「良かった。お父さんが死ぬのかと思っちゃった」と呟いた春陽くんの頭をそっと撫でる。


拓也さんに会ったことはないけど、私も安心した。

一ノ瀬くんたちのお父さんが無事でよかった。


「それで、身の回りのものとか必要だろうから、お父さんのところに行ってくるわ。梓ちゃんがいるし、なるべく家は空けたくないんだけど、帰るのは夜中になると思う」


ごめんなさいね、と言われて慌てて首を振った。


「大丈夫です! 私のことは気にしないでください!」

「でも大事なお嬢さんを預かってるのに……」

「平気ですよ! それより、拓也さんが元気だといいですよね」