君の笑顔は、俺が絶対守るから。



リビングのソファーにはすでに一ノ瀬くんが座っていた。

京子さんがお茶の用意をしていたので、私はそれを手伝い、春陽くんはお兄ちゃんにならってソファーに腰を下ろした。


「さて、突然ですが、明日私、広島に行ってきます」


お茶をテーブルに置くと、京子さんは少しこわばった顔で話し始めた。


「広島……ですか?」

「親父に何かあったのか」

「えっ。お父さんのとこに行くの⁉」


一ノ瀬くんの言葉に、春陽くんが身を乗り出す。

そうか。

京子さんの夫で一ノ瀬くんたちのお父さん、拓也さんは、いま単身赴任で広島にいるんだったっけ。


「さっき電話があって、お父さん、入院したらしいのよ」

「入院って、お父さん病気なの?」

「ちがうわ。交通事故に巻き込まれて、足の骨を折ったんですって」