君の笑顔は、俺が絶対守るから。


ああ……そうか。

そういうことだったんだ。

やっとわかった。

この胸のモヤモヤや、痛みや苦しみが。


私、いつの間にか一ノ瀬くんのことが……好きになってたんだ。


「ウソでしょお……」


思わずしゃがみこみ、膝を抱えるようにしてうつむいた。


こんなことってある?

私、男の人が苦手というか、嫌悪するレベルだったのに。

一ノ瀬くんのこと、感じの悪い人って思っていたのに。

同居するなんて絶対ムリって言っていたのに。


男の人を好きになんてなれるわけないって思っていたのに。


一ノ瀬くんは、私の中にあったそれらを全部取り去って、胸の奥のいちばん大事なところに、いつの間にか堂々と居座っていた。

イメージ的には長い足を見せつけるように組み、ドヤ顔で笑っている王様。


腹立たしいけど、憎めない。

それどころかいとおしい。