君の笑顔は、俺が絶対守るから。




「梓おねえちゃん。兄ちゃんと仲直りしないの?」


お風呂上り、洗面台の前で髪を乾かしていると、唐突にそんなことを聞かれて固まった。

質問してきた春陽くんは、お風呂上がりのアイス片手に、つぶらな瞳で私を見上げてくる。


「け、ケンカなんてしてないよ?」

「ウソつかなくていいよ。だってこの間から、兄ちゃんと梓おねえちゃん、全然しゃべってないじゃん」

「それはたまたま……」

「梓おねえちゃんなんて、目も合わせようとしてないよね」

「うっ。……ご、ごめんなさい」

「別に謝らなくてもいいよ? 兄ちゃんと仲悪くしてもらってた方が、僕にとっては都合がいいし」


そう言ってにっこり微笑む春陽くん。

お風呂あがりということもあって、いつも以上に頬がぴんくで愛らしい……じゃなくて。


都合がいいって、いま言わなかった?

聞き間違いかな?