君の笑顔は、俺が絶対守るから。


「……そういう意味じゃねぇよ。でも、そうか。ないのか」


なぜか自分の口元を手で覆いながら、一ノ瀬くんが何かぶつぶつと呟いている。

そんなに告白されたことがないって信じられないことなのかな。


それも仕方ないか。

一ノ瀬くんならきっと、小さい頃からモテてモテて大変だったんだろうから。


「けど……ちゃんと考えなくちゃダメだよね。山田、改めてするって言ってたし。その時まで何も考えないわけにはいかないもんね」


内心ため息をつく。

どうして山田も、私なんて気になるようになっちゃったかな。

小鳥のことが気になっていたはずだろうに、そこから私に方向転換って、無理があると思うんだけど。


目をつむり、腕組みをして考えていると、影がさした気がして顔を上げる。

直後息を飲んだ。


まるで覆いかぶさるようにして身を屈めた一ノ瀬くんの、整った顔がすぐ傍にあったから。


「考えんな」

「……え?」