私もたぶん、山田に負けず劣らず顔が赤くなっていると思う。
だって、これじゃあまるで、山田が私のことを好きみたいに聞こえるじゃん。
山田は、小鳥のことを狙っているはずなのに。
うろたえる私を見て、山田がなんだか拗ねたように「そういうことだから」と言った。
「そういうことって……」
「別に告白じゃないんだからいいだろ。返事とかもいらねーし」
そんなこと言われても、こんな風になっちゃったら、これから私だって意識してしまう。
小鳥じゃなくて私を……なんて、そんな男がこの世にいるなんて、思ったこともなかった。
「告白は……また改めてするから。戻ろうぜ」
「あ、改めてするの!?」
「そりゃあ、まあ。佐倉にとっては迷惑かもしんないけど」
「め、迷惑ってわけじゃ、ないんだけど……」
迷惑じゃなくて困惑だ。
いまいちこの状況が受け止めきれないまま、山田くんと応援席の方に戻る。


