君の笑顔は、俺が絶対守るから。


『では引いたカードと借り物の整合性を確認します! クラスとお名前、そして彼女のどういうところが気になっているのかお答えください!』


マイクを向けられた山田くんが、ほんのり顔を赤くして口を開く。


「2年3組、山田です。えー、彼女、佐倉さんのことは……正直、最初は腹立つ奴だなあと思っていたんですが」

「ちょっと。正直すぎ」


思わず私がツッコむと「だって実際そうだし」と山田がもごもご言い返してくる。

なんだ。気になるってそういう『腹立つ奴』って意味か。


「でも、なんか段々、段々気になっていって。話しかけるタイミングとか、考えるようになって」

「え……」

「素直にそうとは言えないけど、けっこう可愛いな……とか、思うようになって。まあ、はい。そんな感じっす」


話し終える頃には真っ赤になっていた山田に、応援席から口笛や野次が飛ぶ。