じっと彼らの様子を見ていると、一ノ瀬くんと目が合った。

おモテになって、うらやましいですわ~。

という顔をしてやると、彼はますます不機嫌そうに眉を寄せ、双子を勢いよく振り払った。


「ああ、くそ、鬱陶しい! お前らいつもいつも何なんだ! ひっつくな!」

「千秋が怒った~」

「まんざらでもないくせに~」

「うるせぇ! 俺はもう行く。ついてくんな!」


森姉妹に冷たく言い放つと、一ノ瀬くんは私をひと睨みしてから、ひとりさっさとその場を立ち去った。


ほーんと、感じの悪い男だ。

高橋くんとは大ちがい。


「ついて来るな、だって~」

「ついて来てって言ってるようにしか聞こえないし~」


一ノ瀬くんの冷たい態度にちっともめげた様子のない森姉妹は、仲良く彼を追いかけていく。

自販機の前に残された私と高橋くんは、顔を見合わせ同時に苦笑いを浮かべた