君の笑顔は、俺が絶対守るから。


「いいじゃん。人数多い方が楽しいだろ?」

「俺は少ない方が落ち着くね」

「また一ノ瀬はそういうこと言う。そんなんだから、冷血漢とか鬼畜なんて言われるんだよ」

「おい待て。俺はそんなこと言われた覚えはねぇぞ」

「本人に面と向かってそんな悪口言うわけないじゃん」


軽い言い合いをはじめるふたりに、やっぱり教室に戻ると断ろうとした時、彼らの後ろから「見つけた~!」と高い声が響いてきた。

次の瞬間、ドンと一ノ瀬くんに体当たりするように抱き着いたのは、同じ顔をしたふたりの女の子。


同級生で双子の、森姉妹だ。


ふたりともバチッと化粧で強調した大きな目をしていて、巻き髪を右にまとめているのがお姉さんの森五鈴さん。

左にまとめているのが妹の森美鈴さんだったはず。


本当にそっくりなので、髪型以外では私には見分けがつかない。

たしか妹の美鈴さんは、高橋くんや一ノ瀬くんと同じ隣のクラスだったはずだ。