次に目を開けた時、壁の時計は午後1時を過ぎたところだった。

ずいぶん寝たけど、まだ体は熱いし頭は重い。

少しは熱も下がっただろうか。


「薬飲まなきゃ……」


京子さんが枕元に置いていってくれた、ミネラルウォーターのペットボトルに手を伸ばす。

あまり食欲はないけど、何か食べてから薬を飲まないと。


もう京子さんは出かけているんだろう。

家の中は静まり返っている。

心細くなったけれど、しっかりしろと自分に言い聞かせた。


おかゆを作ってくれているはずだから、温めに行こう。

そう思い体を起こそうとした時、カチャリとドアノブが回る音がして驚いた。

京子さん、まだ出かけてなかったのか。


けれど顔を出したのが京子さんじゃなく、一ノ瀬くんだったので思わず持っていたペットボトルを落としてしまった。