高橋くんの親友だから、ということで会話はするけれど、正直あまり仲良くはしたくないと思っている。
高橋くん以外は、男子なんてみんなどうしようもない。
「佐倉さん、ひとり?」
「うん。友だちが用事でいないから、購買でジュースでも買おうかなって」
「そうなんだ? 俺たちこれから中庭に行くんだけど、佐倉さんも一緒に行く?」
「え……!」
これってもしかして、高橋くんに誘ってもらってる?
喜んで! と答えようとして、ハッとした。
ちがう、ふたりきりじゃない。
一ノ瀬くんもいるんだ。
高橋くんはいいけど、一ノ瀬くんは……と迷っていると、その一ノ瀬くんが「おい」と不機嫌そうに声をはさんだ。
「高橋。なんでこいつを誘うんだよ」
じろりと睨まれ、負けじと睨み返す。
ですよねー。
一ノ瀬くんだって、私と中庭でお茶したい、なんてこと思ったりはしないだろう。
こっちだってごめんだし、と内心あっかんべーをした。


