長い黒髪をポニーテールにしていて、白くほっそりとした首があらわになっている。

女の私から見ても、ちょっとドキッとしてしまうような美女だった。


「うん。掃除が終わって、いまから帰るところ。高橋くんは部活?」

「そう。スポドリ切れちゃって買い出し頼まれたんだけど……雨すごいね」

「そうだね。止みそうにはないね」

「さっきまで小雨だったから、すぐ止むかと思ったんだけどなあ。由奈先輩、どうします?」


隣の人は、先輩だったらしい。

マネージャーさんかな。

そういえばサッカー部には、マドンナと呼ばれる美人の先輩がいるって聞いたことがある。

きっとこの人のことだ。


「どうしよっか。私の傘、部活棟の更衣室に置いてきちゃった」

「俺もっす。ちょっと面倒だけど、取りに行きますか」

「そうだね。それがいいかも」