課題をしていてシャープの芯がなくなったこどに気づき、お風呂のあとコンビニへと向かった。
けれど一ノ瀬家を出てすぐ、角を曲がる前に後ろからキャンと鳴き声がして振り返る。
一ノ瀬くんがマロを連れて、家を出てきたところだった。
「一ノ瀬くん、いまからマロの散歩?」
「バカ。お前を追いかけてきたんだよ」
軽く頭を小突かれて、驚いて自分を指さした。
「えっ。わ、私?」
「夜に女の一人で出歩くんじゃねーよ。危ないだろうが」
「ごめん。シャープの芯が切れちゃったから、コンビニに買いに行こうと思って」
言い訳をすると、さらに「バカ」と重ねて言われる。
「俺に言えよ。予備の芯くらいやるっつーの」
「悪いかなあって」
「それくらいいいって。それ以外でも夜に外出るときは、俺に一声かけろよな。心配するだろ」
「あ、ありがとう……」


