君の笑顔は、俺が絶対守るから。


「梓おねえちゃん。これで合ってる?」

「うん。正解! さすが春陽くん、飲み込みがはやいね~!」


小さな頭をなでくり回すと、春陽くんはそれはもう嬉しそうに笑ってくれるから、こっちも撫でがいがあるってものだ。

ほんと、こんなに可愛い弟がいる一ノ瀬くんがうらやましい!

心からうらやましい!


「俺は弟の将来が心配になってきた」

「あら偶然ね。私もよ……」


一ノ瀬くんと京子さんがふたりそろってそんなことを言っていたけれど、どういう意味だろう?

可愛すぎて変な女に引っかからないか心配って意味かな。

それは私もすごく心配だからわかる!


「梓おねえちゃん大好き!」

「私もだよ~! 春陽くん、ずっとこのままでいてね!」


中学生になっても、どうか素直で純粋な天使のままでいてほしい。

春陽くんを抱きしめそう言えば、一ノ瀬くんと京子さんから同時にため息が聞こえてきたのだった。