君の笑顔は、俺が絶対守るから。




毎朝一ノ瀬くんの寝顔を堪能すること以外にも、この2週間で日課というか、定番化したことがある。

それがいまリビングのテーブルで現在進行形で進んでいる、夜の勉強会だ。


「梓おねえちゃーん。この問題ってどういう意味?」

「どれどれ? ええと、時速60キロで走る電車があります……」

「おい、春陽。お前わかってる問題をわざと佐倉に聞くのやめろ。佐倉が自分の課題に集中できねーだろうが」

「はあ? わからないから聞いてるし! 兄ちゃんこそいちいと僕たちの勉強に割り込んでくるのやめてくれる?」

「最初に割り込んできたのはお前だろ……」


という感じで、勉強というか、それぞれが学校から出た宿題や課題を消化する時間が、夕食後にいつの間にか設けられていた。

最初は私がどうしても解けなかった問題を一ノ瀬くんに聞いて、彼の部屋で教えてもらってたんだけど、それを知った春陽くんが「兄ちゃんずるい!」と自分の宿題を持ち込むようになった。