君の笑顔は、俺が絶対守るから。




昼休み、小銭入れを持って売店に向かっていた。

小鳥は委員会の集まり、ミーナは職員室に呼ばれていて、いまは私ひとり。


飲み物でも買おうと売店の自販機に来たのだけれど、突然後ろからドンと誰かにぶつかられ、小銭入れから小銭がいくつかこぼれ落ちてしまった。

そしてぶつかってきた男子は、小銭には気づかない様子で友人と笑いながら廊下を駆けていく。


「あー、もう。これだから男子ってイヤなんだよ……」


がさつで子どもっぽくて、バカばっかり。

ぶつぶつ文句を言いながら小銭を拾っていると、目の前に誰かが立って、小銭を乗せた手を差し出してくれた。


「あ……。どうもありがとう」


パッと顔をあげてお礼を言うと、そこにはきれいな茶色に染められた髪と、爽やかな笑顔が待っていた。


「た、高橋くん!」

「こんにちは、佐倉さん。これ君のでしょ?」

「うん。拾ってくれてありがとう」