ついでに「千秋~!」と姉の方も教室に現れて、一ノ瀬くんの方に駆けていった。
こ、これは……さらに声をかけずらい状況になったんじゃ?
迷ってないでさっさと声をかけるのが正解だったか~!
ランチバッグを握りしめひとりであわあわ焦っていると、誰かに肩を叩かれて飛びはねた。
「わっ!?」
「佐倉さん? うちのクラスに何か用?」
「あっ! た、高橋くん」
振り返ると、高橋くんが爽やかな笑顔で私を見下ろしていた。
天の助け……!
私はひと目もはばからず、高橋くんの腕にすがりつく。
「高橋くん! お願いがあるの!」
「え? お願い? 俺に?」
「一ノ瀬くんに、廊下に出てきてほしいって伝えてもらえないかな? ランチバッグを持ってって!」
高橋くんは不思議そうな顔をしたけど、私が必死なのを見て「いいよ」と快くうなずいてくれた。


