ひえ……!
私がやったってバレたら殺される!?
絶対秘密にしないと。
特に森姉妹にバレたら命に関わる。
そうやって震えていると、ふと一ノ瀬くんがこっちを見た。
切れ長の黒い瞳と視線がぶつかる。
すると一ノ瀬くんはべえっと舌を出して、それから一瞬ニヤリと笑った。
く……! やっぱり感じワル~!
あの寝顔、実は幻だったんじゃないかな?
「あ~! 千秋笑ってる~?」
「何で笑ってんの~?」
「あー。朝からうるせーっての」
一ノ瀬くんが森姉妹にまとわりつかれ、鬱陶しそうにしながら去っていく。
それに苦笑していた高橋くんが、教室にいる私に気づいてくれて、軽く手を振ってくれた。
それに手を振り返し、彼らが見えなくなってそっと息をつく。
一ノ瀬くんの寝顔はきっと幻だった。
あの可愛さは思い出すと胸が苦しくなってつらいので、忘れよう。


