一ノ瀬くんの部屋はモノトーンでシックな配色の部屋だった。

大人っぽい彼のイメージにぴったりだ。

天井まである大きな本棚には本がぎっしり並び、壁には白黒の世界地図と、マロの写真が飾られている。

広い机にはパソコンと、教科書類が積まれていて雑然としていた。


初めて男の子の部屋に入るせいか、ドキドキしている。

想像よりずっときれいにされていることにびっくりだ。


「い、一ノ瀬くん……?」


声をかけながらそっとベッドに近づく。


「一ノ瀬くん。朝だよ。起きて」


声をかけても、ベッドの上で丸まった彼は返事をしない。

どうしよう。

とりあえず揺すってみる?

それとも京子さんが言っていたようにけり落す?


迷っていると、こちらに背を向ける形で寝ていた一ノ瀬くんが、ごろんと寝返りを打った。

その瞬間、あらわになった彼の寝顔に、心臓が撃ち抜かれるような衝撃を受けた。


「か……っ」



かわいいー!!