高橋くんは何も悪くない。
他の人が誰も気づかない中、いや、もしかしたら気づいていても見て見ぬふりをしていた中、高橋くんだけが助けてくれた。
高橋真純くんはあの時から、私と私の大事な小鳥の恩人になった。
男なんてみんなどうしようもない、と思っているのは変わらないけれど、彼だけは例外なのだ。
「あ、そっか! 私、高橋くんならゆるす!」
「ゆるすって、何を?」
「小鳥の彼氏候補! 他の男子はダメだけど、高橋くんなら安心して小鳥を任せられるもん」
高橋くんは絶対に小鳥を傷つけたりしないだろう。
彼は他のケダモノみたいな男子とはちがう。
ちゃんと理性があって、弱いものを餌食にしようとはしない人だ。
そう思って言ったんだけど、なぜか小鳥とミーナは顔を見合わせ苦笑する。
「なーんでそこで、小鳥の彼氏候補って話になっちゃうかなぁ」


