「いや。あいつだって男だし、うるせーとこもあれば、下心のひとつやふたつあるだろ」
「またまた。そんなわけないじゃん」
紳士な高橋くんに限ってそれはない。
私がそう軽く笑うと、なぜかため息をつかれた。
なにかおかしなこと言ったかな?
「そういう高橋くんが信頼しているのが一ノ瀬くんでしょ? だから私も、一ノ瀬くんなら大丈夫なんじゃないかなって」
「へー。あいつ、ずいぶん信用されてんだな」
「そういうことだから、これからお世話になっていく中で、一ノ瀬くんに慣れていけたらなって思ってるんだ。そしてら他の男の人にも、普通の態度をとれるようになるかもしれないし。このままじゃいけないって友だちにも言われてて、がんばってみようかなって」
いまはいいんだ。
小鳥たちといられればそれだけで幸せだし、充分。
でも将来、大人になって働くようになったりして、男の人を毛嫌いしていたら困るかもなあと考えたりもする。
嫌いなものは嫌い、ではいられないんだよね。


