「まだ、バイバイなんてしないよ?」
...え?
私は、こぎ出した自転車にブレーキをかけた。
だってもう、校門だから、お別れじゃないの?私と颯汰くんの家は真反対だから。

「...颯汰くん、引越ししたの?」
それしか考えられないし…
「ふっふふ。ち、違うよ。引越しはしてない。家は前と一緒だよ。」
前と一緒って...。私颯汰くんの家がどこにあるのか詳しくは知らないけど...。
ていうか、引越ししてないんだ。じゃあなんで?

「その様子だと分かってない?
一緒に帰ろうって言ってるんだよ?」
一緒に?
「いや、でも家の方向逆でしょ?どうやって一緒に帰るの?」