「……うっ…」
男たちが苦しそうに地面へと倒れ込む。私を庇うようにして立つお兄ちゃんの背中はとても大きかった。
じわり、じわりと、今さら涙が溢れてくる。
いつも守られてばかりだから、こんな時ぐらいは私が守りたかった。
でも、お兄ちゃんなら絶対に来ると思ってた。
私がピンチの時には必ず駆け付けてくれる、カッコいいお兄ちゃんだから。
「大丈夫?」
もちろん、日比谷さんも来てくれた。
「雛子ちゃんが連れてかれるの見た人がいてね。なにもされてない?」
「はい」
完全に腰が抜けてしまっている私を日比谷さんが優しく支えてくれた。
「鬼頭、てめえ……っ」
地面に倒れていた男たちが起き上がって、他の人たちもお兄ちゃんのことを睨みつけていた。
「加勢しようか?」
「こんなのひとりで十分だ」
日比谷さんの言葉を断ったお兄ちゃんはまだ私に背中を向けたまま。
「……お兄ちゃん」
「雛子。日比谷の後ろに隠れてろ」
そう言って、お兄ちゃんは男たちに向かっていった。



