「はい」
 そう返事をするはずが、出来なかった。
 スッ、と手を取って歩き出す涼さん。
「……ん、どしたの?」
「…涼さん……手…」
「え、手?……エスコート。別にいいでしょ?」
 そう言ってウィンクする。
「………今日は僕だけの、お姫様なんだから」
 涼さん、何か呟いた気がしたけど…
「気のせい、かなぁ?」
「何がー?」