空には、大きな花が咲き誇っている。
「…ことね」
「なん、ですか?」
「この際だからもう言うけど……僕、最近気付いたんだ」
 ゆっくりと語る涼さん。
 その顔は、とても優しげで、なにもかもを知り尽くした、とでも言うような、大人な顔で。
 私の知らない、涼さんだった。
「僕が言いたいこと、分かる?」
「……いえ」
「そっか、まぁ仕方ないけど」