(なんだ、優しいとこあるじゃん)


胸になにかひとつ、もどかしい感情が積み重なった。


なんだろう、この気持ち。

モヤモヤとしていて、でもそれでいて夢見心地な、ふわふわとした、そんな感覚。


「あ? なに見つめてんだよ」


ふがふがっと熱々の肉まんを頬張るマサトに、ドキリと胸が高鳴った。


「なっ、なんでもないっ」



急いでパッと顔を逸らし、私も半月に割られた白くて湯気を立てるそれを、パクッと頬張り始める。