天音 希の近くには、柴蔵高校の前島 いのりと西園 歌恋の姿が。


「とりあえず、私たちはこれだけしか集められなかったよ。ごめんね」
「鳳凰さん、良くなるといいね」


学び舎という垣根を越えて、たったひとつの命を救いたいと願う気持ちは、広がっていく。


「ありがとう。実は、地元のスーパーとか学校の下駄箱にも募金箱を設置してるんだ。うん、なんとかなってくれるって信じてるよ!」



人の絆の輪は、決して目には見えないけれど。



あるひとりの少女が口にした、提案によって。


「私、人を救いたいと願う気持ちは奇跡を起こせるって、信じてるから!」




確実に鳳凰 正人の周りに根を張り、彼を救わんと……背中を押し上げている。