白虎町 陽が位置する場所には、妹の桜が友人を連れて兄の募金箱に小銭を入れる。



「お兄ちゃん、マサトさんが苦しんでるんだよね? 目標額に達するには、微々たるお金だけど、これ……みんなから」



鳳凰 正人が文化祭で演じた劇により手術に立ち向かう活力を貰った桜は、巾着袋にぱんぱんに詰まった小銭を兄に手渡す。


「桜、これどないしたんや?」


「んーっとね、お父さんにお母さんでしょ? あと、今日来れなかった友だちから預かったお金だよ!」



妹が無事に手術を終えたことに感謝する者たちからの寄付に、兄である白虎町の目頭も熱くなる。


「マサトお兄ちゃんも、手術を受けれるように祈ってるね」


ひとつひとつ、輪は確実に広がっていく。