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鳳凰 正人は、天音 希に言われたとおり、桜島駅を訪れていた。



彼女のことを信用していないわけではないが、自分を救う方法があるなど、にわかには信じれない。



期待すれば期待するほど、落胆してしまうような結果が待っているんじゃないかと思ってしまう。



どこまでも続く秋の終わり、白銀の景色が始まる冬の空。


風に吹かれながら、母に車椅子を押してもらう。



寒さと焦りが増す中、すべてを誤魔化すようにして、上手く動いてくれなくなった足をさする。