ドーム型の屋内に、なめらかな水の動きをイメージした白と青のガラス床が、歩くたびにコツコツと音を鳴らす。


サファイアゾーンの中央に設置された噴射口からは、噴水が絶え間なく飛び出していた。


ガラス床が水に浸され、周囲の店やライトに照らされて、足元一面がきらめいている。

広大な青と白の敷地を、水のヴェールで包んでいるようだった。


道行く人たちのスニーカーやブーツが、パシャリと水飛沫を跳ね上げていく。


誰かを待つようにして立ち止まっている背中を見つけて、私は彼の元へと駆け寄る。


「トオルくん、」



リズミカルな噴水を眺めていたトオルくんが、こちらを振り返った。


「やぁ、天音さん。暗くなってから呼び出してごめんね。来てくれてありがとう」