少し首を捻った後、店員さんはポンっと軽く手を叩いた。


「宇佐美先生ぇ?…………ああ、君たち、桜島高校の生徒さん? っということは、翔(カケル)の教え子さん達かな?」



宇佐美先生によく似た店員さんは、コーヒーの香りで包まれた店内で微笑みながら、「どうぞ」っと席に案内し始める。


「俺は宇佐美 昇(ウサミ ノボル)。君たちが知ってる宇佐美先生の、双子の兄さ」


宇佐美先生、双子だったんだ。

そりゃ双子なら顔が似てるのも納得出来る。

というか、なんという偶然なんだろう。

宇佐美先生のお兄さんが働いてるカフェが学校の近くにあるなんて……。


先生、この辺りに住んでるのかな?


「出来の悪い弟だけど、生徒のことは大事にする奴だから、よろしく頼むよ」


まぁ、お兄さんは先生と違って、オネェ系じゃないけど。