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あの一件以来、カレンは城之内の恋人という仮初めの居場所を失くした。



けれどそれは『自業自得だ』と、夕日に染まる河川敷でカレンは私たちに断言した。



『ノゾミを裏切って手に入れた場所なんて、意味がないよね。私は私の力で、居場所を得れるように頑張るよ』、と。


あれから城之内が絡んでくることなく、日々は平穏に過ぎていった。



私を助けてくれたマサトやトオルくん、玄武くんに白虎町くんにいっちゃんには……、みんなには、感謝してもしきれないと思う。


みんながいなければ、私はこの先も自身の過去の選択に悩まされ、自分のことを好きになれなかったから。



男子たちに夏休み前の終業式にお礼がしたいと申し出たけど、『そんなものは求めてない』と、一蹴されてしまった。


結局、言葉で感謝の気持ちを伝えただけに終わってしまった。


……まぁ、みんながそれで良いって言うから、仕方がないけどさ。


桜島高校の学生たちは夏休みに入り、私は高校生活最後の本格的な夏を、迎えていた。