──── 時はノゾミとカレンが傷つけ合う、あの日に遡る。




カレンはノゾミが離れた隙を突かれて城之内に呼び出され、中庭に足を運んでいた。



『おい、服脱げよ。お前を掲示板に晒して、学校一の人気者にしてやる。あははっ』


相変わらず非道な命令を下され、カレンは羞恥に耐えながら言いなりになっていた。


反抗すれば、もっと酷いことをされると分かっていたから。


けれど、心までは屈していなかった。


それは、自分の味方をしてくれる……天音 希が、心を救ってくれたから。


例えどんな辛いことが起ころうとも、城之内に傷つけられようとも、希望が持てた。


しかし、その日だけは違った。