ギシギシッと畳を踏みながら、私の枕元にある充電器を掴む。


目をつぶって口元まで布団を被っているけれど、いつもよりも彼の存在を近くに感じる。


静寂に包まれた室内は、耳鳴りがしてしまいそうなくらいに、静かで。


私の鼓動が、彼に聞こえてしまうんじゃないかってくらいに。


(……もう、行ったかな?)


薄っすらと瞳を開けて確認しようとすれば、頬にゴツゴツとしたものが当たった。


(な、なになに?!)


マサトが手の甲で、私の頬をさらりと撫でたのだ。



驚いて肩が上がりそうになるのを堪え、必死に息を殺す。


「……俺さ、お前のこと……」


私が寝ていると勘違いしている彼は、今まで聞いたことのないような切羽詰まった声で、こう囁く。


「やっぱり、好きだわ……」