いきなりポンっと肩に手を置かれ、身体がびくりと反応してしまう。

照れる暇も与えさせてくれずに、白虎町くんは右肩からぬっと顔を近付けてきた。


「気になることがあるんやったら、本人に聞いた方が早いで? ほら、なんでも答えてあげるから言うてみ?」

真横に座っているハルカくんは口元に手を当てて、キャッとワザとらしく声を上げた。


いやいや、ちょっと待ってくれ。

それは女子である、私のリアクションなわけで。



「なぁ、転校生……。もっと俺と絡んで、もっと俺に興味示して?」


当の自分はと言うと、イケメンに顔を寄せられ、声にならない声を上げるだけしか出来ず。


「ひ、ひぃっ。いや、結構です……」


真正面を向いたまま微動だにしないでいると、肩に置かれた手がツーッと肌を這う。


なんかエロいし、くすぐったい!



「あのさー、もっとコミュニケーション図ろうやぁ? 転校生」


白虎町くんの乱れた服装と、読者モデルみたいな燻んだ髪色と、ヤル気の無さげな妖艶さに、脳内がくらくらと揺れる。


「あ、せやせや。なんでマサトが君のこと、”ポチ”呼ばわりしたり、冷たく当たったりするんか、知りたくない?」


「えっ! 理由があったんですか?」

同い年なのに彼から漂う色気に思わず敬語を使ってしまったことを自覚しつつ、気になる内容に素直にリアクションを取ると。


「あるでー。実はとーっても深い理由が」と、更に気になる返しをされた。