這うような手つきを、Tシャツ1枚の私の胸に重ねてくる。


「うっは! やわらけぇ〜」
「マジ? 興奮すんだけど」


洗い呼吸とともに首筋を舌で舐めとられ、喉元から生温かい吐き気がこみ上げてきた。


必死に耐えていると、今度は足の間に指が伸びてくる……。


「やっ、」

「おい、いまさら逃げんなよ?」


一歩後ろに下がれば、建物の壁に身体を押し付けられ、逃げれないように腰を掴まれてしまった。

「おおー。かっちん、攻めるねぇ」
「下着、脱がす? 邪魔だろこんな布きれ」
「抵抗すんなって! 激しくしてもいいのか?」


女を異性としてではなく、欲望を満たすだけの道具としてしか見ていない男たちの相手をしているという現実に、涙が溢れる。


どこから、間違ってしまったのだろう。


どうして、私はいつもひとりなんだろう。


(トオルくん、ごめんなさい……。私、汚れちゃう……。あなたに相応しくないよね、こんな彼女……)


力づくで下着を脱がされ、嗚咽を押し殺していた……その時だった。