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驚きのあまりその場から逃げ出してしまった前島 いのりは、頭を抱えながら懺悔を始める。


「どうしよう、てっきりあの目つき悪い人(鳳凰 正人)とノゾミんがいい感じなのかと思って、色々と相談しちゃったのに!! まさかの知的男子と付き合ってたなんて!」


予想外の展開に、後悔が止まらない。


「ああーん、私、やっちゃったーっ」



友人を思うがあまりに先走ってしまったものの、嘆いていても取ってしまった行動は覆らない。


「いっちゃんさん、落ち着いて。なにも悪いことをしたわけじゃないから、大丈夫だよきっと」



バスケ部マネージャー小雪の癒しオーラに落ち着きを取り戻した彼女は、晴天を見上げる。



「……ありがとう。ノゾミんにとって良い結果になるよう、祈ってるよ」