( ノゾミんが見つかったら、また……狙われる……っ。私の大切な友だちが、また……傷付けられちゃう……)



焦燥感の募る身体は、自然と味方になってくれそうな人物を風景の中から見つけ出していた。



それは、嘗てカレイドスコープで遊んだことのある人物で。


「マサト、急げってー。主役のお前がおらんと、クラスのみんながリハーサル始められへんやんか〜」


「うるせーなぁ。元はと言えばお前が今まで散々、妹と駄弁ってたからじゃねぇかよ?」


「そうそう、だから俺の所為にならんためにも、もっと走って! ほら、早く! 馬のように!!」

「てめぇ、ヨウ……ふざけんなこら」


息も切らさずに小走りで中庭を横断しようとしている男子生徒ふたりに、全力で駆け寄る。