「豪華なプレゼント、って言われるぐらいだから、なにが貰えるのかしらね〜? いやぁ、でも残念だわぁ。うちのクラスはやる前から戦線離脱だなん、」


「戦じゃぁ〜〜っ!!」


白虎町くんが勇ましい雄叫びを上げると、壇上には目を欲望にギラつかせたマサトが現れる。


「おいテメェら、演劇でてっぺんとるぞ。優勝賞金は山分けだ! 良いな?!」


同じく目を金にギラつかせた野郎どもが、拳を天井へと高らかに突き上げる。


「「おおー!」」

「あ、あのー……誰もプレゼントが金銭なんて、一言も言ってな……」

「「やってやるぜー!」」


宇佐美先生の制止は、誰も聞いちゃいなかった。


「わぁ! ワクワクするね、ノゾミちゃんっ」

ハルカくんはこちらを見ては満面の笑みを浮かべている。


玄武くんとトオルくんは、やれやれと言った苦々しい表情で肩を下げていた。


こうして私たちのクラスの催しは、不純な動機によって演劇を行うことに決定してしまった。