顔を真っ赤にして震えていると、ある人物が助け船を出してくれた。


「マぁ〜サトっ。中間テストの結果が実力やなんて、嘘言うたらアカンやろぉ?」


シャツをはだけさせながら現れたのは、白虎町くんだった。

マサトの肩に腕を回しながら午後の日差しと満腹感で眠気を誘われ眼を擦る彼に、ハルカくんが背筋を伸ばして尋ねる。


「なにそれ、どういうこと?」


「ふっふっふ。実はやね、俺たちの成績がえぇんは桜島高校が誇る天才、青龍院くんに勉強を教えてもろとるからで〜すっ」

そこまで喋り終えた時、「バカ、全部教えてんじゃねぇよ」っと白虎町くんの頭頂部にゴツンッと拳が落ちてくる。


「あだーっ! なにすんねんやマサトっ。この、脳筋頭! DV男! 変態! 年がら年中発情期野郎!」

「そりゃお前だろ」

下ネタを連発している男子を前にして、私の心には一筋の希望の光が見えていた。


(……もしかしたら、これで無事に夏休みが迎えれるかもしれない!)、っと。