素直に背を向けたオタクくんのお尻を小さく摘み、マサトは無情にも一気に指を引き下げた。


その瞬間、ブチッと何かの千切れる音がズボンの中で響く。


「いっ!!!?? ギャーーーッ!! 痛い〜っ! お、お尻がぁぁぁぁ」


おケツを押さえたままのたうち回るオタクくんを見た白虎町くんは、机を叩いて大爆笑。


「あっはっは! アカン! 笑い死ぬ! マサト、まじ天才やわー!! ひーっひっひっ」


玄武くんと青龍院くんはその痛みに身に覚えがあるのか、静かに合掌している。

「可哀想に……」
「哀れだな……」


「もー、みんなして可哀想じゃない。ほら、大丈夫? 立てる?」

目に涙を浮かべているオタクくんに手を差し伸べてあげれば、気持ちの悪い一言をぶちかまされる。


「う、うん、ありがとう。抜けたお尻の毛がパンツの中を彷徨っていて凄く不愉快だけど、なんとか大丈夫です」

「えっ、あ、はい。よく分からないけど頑張って下さい」


(……あなたの今の発言の方が不愉快ですとか口走りそうな自分を強く律した私を、誰か褒めてください)


後ろでは、次に狙われている玄武くんとマサトのやり取りが聞こえてくる。