仲よさげに肩を組まれ、まんざらでもなさそうに恐縮する。

「すみません、社会人と偽ってチームに入らせて頂いて…………」

さすがは、部活経験者。

(目上の人に対する態度がしっかりしてるなぁ)


社会人の人たちは、彼を救おうと手を差し伸べるマサトや私たちに声を紡ぐ。


「なぁ、君たち玄武の友だちなんだろ? コイツ、俺たちのチームにいてもずば抜けて上手いからさ、こんな小さなチームでプレーするだけじゃ勿体ねぇなぁと思ってたんだよ。なにがあったのかは知らないが、コイツをまた部活に入れてやってくれ」

マサトはニヤリと白い歯を見せた。


「当たり前だっ、…………ですよ。なんとかしてやります」


慣れない敬語に顔を歪めている野獣に、(ざまぁ)と小馬鹿にする、意地の悪い私は一体どこまで荒んでいるのか。


マサトのそんな不器用ながらも芯のある言葉を聞き届けたお兄さん方は、柔和な表情を浮かべた。


「よろしく頼むよ。おい、玄武! バスケ部に戻ってもし桜島高校のインターハイ出場が決まったら、応援しに行ってやるからな!」


スーツを羽織りつつバシィッと背中を叩かれれば、玄武くんは嬉しそうに笑った。


「はい、必ず」