「え、なにお前昨日より腫れてね?」
「わ、虎頭先輩っ」
今日も朝練と放課後の練習を欠席して通学路をゆっくりゆっくり歩いて帰宅していたら、後ろから自転車でやって来た虎頭先輩に突然声を掛けられて必要以上に反応してしまった。
「てか何で徒歩?迎えは?」
「あ…朝は送ってきてもらったんですけど、うち共働きで両方帰りが遅くて…」
「は?じゃあもしかして昨日も歩いて帰ったわけ?なに?馬鹿なの」
「うっ…」
容赦なく飛んでくる言葉の銃弾に苦い顔をする私を見て、虎頭先輩は一息ため息を吐いて、そして言った。
「あーもう、送るわ。後ろ乗れ」
「ええっ」
指されたのは虎頭先輩の自転車の荷台だった。
少女漫画でよく見るやつだ。でも私は二人乗りなんてした事ないし、漫画でよく見る横向きで乗る方法はバランスが取れなさそうで不安定で怖い。
「や、大丈夫です…」
「あ?」
学校付近なので学校の人達もいるし、その中で有名な虎頭先輩の自転車の後ろに乗るってどうなの。
そんな公開処刑みたいな事は絶対に嫌だ。
「自転車の二人乗りっていけないんですよ」
「うるせえな、その足悪化するだけだろーが。いいから乗れ」
まるで虎が威嚇するかのように、鋭い目つきで先輩は私を見てきた。
蛇に睨まれた蛙状態だ。

