「ど、どうしよう……」

まさか、社長が寝てしまうなんて思わなかった。

疲れているのかしら?

逃げ出すなら今だ!

そう思ったのだが、しっかりと固定して
抱き締められているため身動きが取れなかった。

オロオロしながら社長を覗いてみた。

寝ている姿は、
本当に人間離れをした美しさがある。

サラサラとした白銀の髪。
まつ毛もばさばさに長くて整った顔立ち。

思わずドキッとするぐらいに美しかった。

あ、おでこを見てみるとさっきまで
血が垂れていた傷が
すでに塞がれようとしていた。

本当に傷の治りが早いのね?
凄い……。