風が止みもう一度
桜の木の方を見てみると九尾の姿をした
社長が目に映った。

「……社長!?」

あれは……夢ではなかったの?

でも、現実に目の前に居る。
まるで夢の続きを見ているようだった。

「親父から聞いた。俺が倒れて
ずっと眠っている間にお前との接触していた
記憶を消されたんだってな。
それでも……夢として覚えているってことは、
俺への愛は、本物だと思ってもいいのか?」

そう言いながら社長は、クスッと微笑んだ。

私は、その微笑みを見て全てがハッキリする。

あぁ……そうか。

あれは……夢ではなかったのだと。

「……はい。社長」

私が笑顔で言うと社長は、人間の姿になり
おりてくれた。

そして、私にキスしてくれた。