お願い……間に合って!!
私は、心の底からそう願った。
その頃。
社長は、妖怪世界にある屋敷で
ムスッとしたまま過ごしていた。
「社長。いい加減に機嫌を直して
仕事をして下さい」
涼お兄ちゃんにやられて以来
社長は、ふて腐れて子キツネになったままだ。
三ツ谷さんも困り果てていた。
「まだ響を連れ戻せないのか!?」
「私達も全力を尽くしていますが
なんせ月ノ宮一族の神社は、結界が強くて
中に入ることすら出来ません。
宇佐美さんも神社から出て来ないので
どうなっているのか、さっぱり」
「くそっ……なんて胸くそが悪い結界だ。
アイツもアイツだ。何故出て来ない?
一体中で何をやっているんだ!?」
連れ戻せない私に対して
苛立ちを覚えていた。
しかし、その時だった。
「蓮様。大変です!!
月ノ宮一族の者達が乗り込んできました!?」



