こんなとき……母は、どうするのだろうか?
ぼんやりする意識の中
フッとあることを思い出した。
そうよ……美音を
美音をここに呼び寄せられないかしら!?
あっ……でも呼び寄せ方を知らない。
式神の美音をここを呼び寄せられたら
社長や母達に知らせることが出来るのに……。
こんなことなら
ちゃんとお母さんから聞いておくべきだったわ。
散々考え込んでいたら
すると昔の記憶を蘇ってくる。
『いい?響。もし何かあったら
こうやっておまじないをしなさい。
きっとあなたの力になってくれるはずよ』
それは、母が私に教えてくれたおまじない。
その当時は、幼くて
おまじないか何かと思っていたが
もしかして……あれは、式神を呼び寄せる
呪文じゃないかしら!?
私は、慌てて起き上がった。
もし……そうなら私には、まだ
助かるチャンスがある。



